君にかける魔法

就活で忙しい青葉さんとはあれから会えておらず、
でもLIN○のやり取りだけは続いていた。
内容は夏アニメのことくらい?
アニメが息抜きって言ってたな、結構前に。
見るアニメがことごとく被っているせいか、会話が弾む。
まるでこの前のことが無かったかのように、普通のオタク同士の会話みたいになっていた。

花火大会の日はそして訪れた。




大体賑わってくるのは、花火が始まる30分前の6時半くらいからだ。
ゆったり準備をするために3時にナツキの家に行った。
ハルカの見送りの時以来、忙しそうだったから会えていなかった。
昨日の夜、yo𓏸𓏸ubeで浴衣の着方も見たからきっと大丈夫だ。
色白で綺麗な金髪に合うメイク道具も用意した。
アイロン等はあるらしいので問題なしっと。

LIN○で送られてきた地図に従い、ナツキの家に向かった。
帰り道がだいたい一緒だったが、交差点の逆方向だからか少し遠く感じた。


マンションの7階、突き当たりの部屋。
インターホンを鳴らした。
高層マンション…
これが俗に言う『タワーマンション』かぁ……
私の家とは高級感が違う…

「いらっしゃーい!」
ジャージ姿のナツキが出迎えてくれた。