君にかける魔法

もうすぐ見せ場。
耐えろ、耐えろ私!

ターンの準備のポーズ


軸足から体の中心、
しっかりと意識を集中させる、


「「「ナツキーッ!」」」


「ナツキーーーっ!!!」


私こんなに耳良かったっけ。

こんなに大音量の音楽流れて、
会場の盛り上がりもすごいし、

なんで聞こえるんだろ。



私、最高で最高すぎるくらい、最高だよっ!!!




音楽が止まる。


一瞬静まり返った後に、大きな拍手が鳴り響く。

やり切った……


やったよ、モモ。






大会後終わり出口に向かうと、モモとクルミがいた。
相変わらずクルミの見る目は衰えていなかった。
最後、なんとか気力で持ったって感じで、自分でもなかなかボロボロのターンだったと思った。

「ありがと。」

私はモモと2人になってから、お礼を言った。

(よかった…お礼、言えた…)

私は安心してしまい、そこからの記憶があまりない。

お姉ちゃんに聞くところによると、モモは連絡をとったり、家に運ぶのを手伝ってくれたりしたらしい。

何から何まで申し訳なさすぎる。


私にとって勝利の女神。

今度は私が力になってあげたい。