君にかける魔法

笑顔なんて作れない…


ふと視線を少しあげた。
下を向いてても、逆にふらつくだけかも…


(なんで…)


目の前には


「モモ…」

「ナツキ…」

てっきり来ないかと思っていた。

ふらついていた足元が、急に自然と歩けるようになった。
自然と気持ちが暖かくなってしまう。

「来てくれて、ありがとう」

学校であんな感じだったのに、普通に接してくれた。
話していたらいつの間にか具合が悪いことなんて忘れてしまっていた。

頑張る理由、

「ナツキっ!!っ」

優しい微笑み、


「応援してる!!」


私ってなんて幸せものなんだろう。



「ありがとっ!」


自然と足が軽くなる。

早く踊りたい、早く、早く…

私は走って練習に戻った。





不思議と緊張がしなかった。
きっと大好きな人が見ていてくれているから。

どんどん仲間が入場していく。
1番最後。
私は思い切り、飛び出した。

眩い光。
私たちだけを照らす光。
静まる会場。

運命の時間が始まる。


私、今



最っ高に楽しい!!!



まだいける、まだ見せれる!って
目でアイコンタクトを送り合う。

これが私のやりたかったこと。

本気でやりたかったこと。


曲が終盤に差しかかる、


(…やばい)


いつものようにターンしているはずなのに、絶対におかしい…