君にかける魔法

それから少しした時、モモは様子がおかしくなった。

誰から見てもわかるくらいだった。
怒りっぽい性格ではないはずなのに、常に何かにイライラしているみたいだった。

「モモ、今日どうしたの?」

クルミがお休みの日だった。
いつにも増してイライラしてて、私と話すのを意図的に拒んでいるみたい。

逃げるように移動教室へ向かうモモを、私は追いかけた。
あっという間に追いつく、
(なんで、私が嫌いになったの…?)

周囲の視線がうるさすぎて空き教室に入った。
こういうのが、嫌われるってこと…?

訳が分からない。
私も少しイラついてしまっていた。

モモを壁ドンするような体勢になって、私は問い詰める。


モモの目からは大きめの涙がボロボロとこぼれ落ちる。
その涙が、制服を濡らす。

「泣いててもわからないよ…」

私が言っても説得力が無さすぎる言葉。


考えるスキを与えないかのように、モモは私にキスをしてきた。

驚きすぎてバランスが崩れる。

モモが私の上に覆い被さるような体勢になる。

何度も離れようとしても、追いかけてくるよう。

指が絡められ、私は身動きが取れない。
好きな人とのキスのはずなのに、苦しくて、必死で、辛い。

私があなたに望んでいたものは、こんなものじゃなかった。

笑っていて、ほしかった。


私は一瞬、唇が離れた瞬間に顔を背けた。
手と手が離れた。