☆海花side☆







ザワザワと騒がしい話し声が、私の耳に入る。


「わかるよ、みんなの気持ちは。眠り姫を拝みたいんでしょ? でもね、ここは静かにする場所だから。みんなは帰った、帰った」



お姉さま感が強いこの声。

美記ちゃんだ。



声が聞こえる方に視線を向ける。

でも白いカーテンに囲われていて、人影は全く見えない。


あれ?

カーテン? ベッドの上? 



ここって……保健室ですか?!



眠りから覚め、現実の違和感に気づいた私。

飛び跳ねるように上半身を起こす。


待ってください。

なぜ私は、保健室のベッドで寝ていたのですか?


確か登校前の私は、ミルキー様に催眠術を掛けられて、車の中で眠ってしまったはずなのに……