――ご主人様に、嫌われたかもしれない。



絶望に襲われ、私の首に冷や汗がたれる。



――このお願いを、なかったことにしなければ。



眼球が右に左に行ったり来たり。

手の震えが止まらないほど焦ってしまい、スマホが落ちそうなほど。


私はスマホの画面を真っ暗にして、ミルキー様に深く頭を下げた。



「なんでもありません。見なかったことにしてください。この時間の記憶を、ミルキー様の脳内から消去してください。お願いします」



早口。オロオロ。てんぱる私。

何を言っているのか、自分の脳が解読できていない。



美記ちゃん、酷いです~。


『ミルキーに見せたら喜んでやってくれそうな動画を、明日の朝に送るから』って、昨日言ってたのに……


今朝、自分の目で確認した時点で『これはアウトでは?』と思いましたけど……