次の朝。自分の部屋で。


シワ一つない制服に袖を通した俺。

鏡の前に立ち、登校前の全身チェック。


寝癖放置なんて、もってのほかだからね。

朝起きてすぐに、髪のセットは終わらせているんだけど……


ここで最後の仕上げ。

ヘアスプレーを、俺のゆるふわ髪に吹きかける。

海花好みの優しい王子様ヘアが、夜までキープできるように。



自分の全身に合格点が出たら、俺はカバンを持って部屋の外へ。

学園まで車で送ってもらうため、敷地内にある駐車場まで歩く。



花々が生き生きと咲き誇る、色とりどりのガーデン。

海花が毎日、心を込めて手入れをしてくれているおかげだね。


一輪一輪、花びらを撫でて回りたいくらいだよ。


海花からの愛情をたっぷ受けて、ずるいなぁ~。

でも君たちが綺麗に咲くと、海花が天使みたいに微笑むんだ。

だから今日も、頑張って咲いてね。


そんな嫉妬を込めたメッセージを、花たちに吹きかけながら。