今でも続いている夜の日課。

海花にとってはメイドとして、不眠症のご主人様に尽くしているだけなんだろうね。


でも俺にとっては、一日のうちで一番贅沢な時間だよ。

本当にありがとう。


犬の姿では言葉を伝えることができない。

だから海花に、すりすりさせてね。


俺はフサフサな頬を、海花のお腹にこすりつける。



わかっているよ。

俺が寝ないと、海花が部屋に戻れないこと。

海花の睡眠時間が、削られしてまうことも。


でもごめんね。

もう少しだけ、ワガママを貫いてもいいかな?



頬すりすり。

これは俺にとっての、マーキングだから。


『海花は俺だけのもの』


『明日も、海花が俺以外の男子に奪われませんように』


そんな強い願いを込めたね。