夜10時45分。
コンコンと響く、俺の部屋のドアをたたく音。
約束の時間ぴったり。
相変わらず律儀だな、海花は。
秒針が狂うことなく、俺の部屋を訪れてくれて。
行動の一つ一つに、思いやり精神が宿っている海花。
どこで模範行動を覚えたの?
ほんと良い子~ 良い子すぎなんだよね。
俺はしっぽをブンブンブン。
ドアの向こうの海花の心の清らかさに、感激せずにはいられない。
ドキドキが駆ける。
猛スピードで。
もはや、心臓の爆走はしょうがない。
だって今から、海花を自分の部屋に閉じ込めちゃうんだから。
たった15分だけ……
本当はもっと長く、独占したいんだけどな……



