胴上げ終了後。
たくさんの生徒たちが、ノリが良い系の数晃と、女総長系の美記を囲みだした。
学年関係なく中1から中3まで。
男女ごちゃまぜ状態で。
「数晃様、美記様、生徒集会お疲れさまでした」
「今日もミルキー様と海花様の絡みがサイコーでしたね」
「海花ちゃん。ミルキー様の耳が出てきちゃったから必死に隠してたとこ、可愛かったよね~」
生徒たちの声に、美記が呆れ声をかぶせる。
「海花もミルキーも、隠さなくていいのにね。ミルキーの耳もしっぽもフサフサだって、全生徒が知ってるっつーの」
そうなんです。
みんなが知っているんです。
琉希がこの世界の希少種『わんこ獣人』だということを。
だって学校生活で、何度も何度も耳が飛び出たことがあるから。
そのたびに海花が隠す。
慌てて隠す。必死に隠す。
でも全然、隠しきれていないんです。
茶色の髪から真っ白の三角耳が飛び出たら、そりゃ目立つでしょうがってね。
琉希の正体をみんなが知っていること、なんで二人に教えてあげないのって?
そりゃぁみんな、ミルキー様と海花様のホノボノ劇を楽しみたいからですよ。
チラ見しながら、ニヤニヤって。
学校へ来る楽しみでもあり、癒し補給タイムにもなるので。