「お言葉に甘えて……教室に戻ります……」

「あっ…、ちょっと待って。
 海花に伝え忘れていたことがあって……」

「伝え忘れていたことですか?」



「今夜も……俺の部屋で待ってるから……」



ひゃぁぁぁぁ~///



「俺の部屋で待ってる」なんて……

面と向かって言われたの、初めてです。


寝る前にミルキー様のお部屋にお邪魔をすること。

ちっちゃい頃からの、ただの習慣じゃないですか。


しかもミルキー様、反則すぎますよ。

そんな初告白する王子様みたいに、顔を赤らめながら言うなんて。



胸キュンしすぎの私の心臓が、肌を突き破って逃げ出しちゃうかと思いました。


私の今の顔、絶対に真っ赤です。

ゆでダコと勝負できちゃうくらい。

圧倒的勝利をおさめること、間違いなし。


こんなゆでダコ顔のまま、教室になんて戻れませんから……

誰にも会わなそうな裏の扉から出て、女子トイレで顔の熱を下げなくちゃ!




ミルキー様に一礼をして、講堂をあとにした私。

不安が頭の中をグルグルグル。



今夜、私は大丈夫のなでしょうか?


いつも通りの平然としたメイド顔で、ミルキー様のお部屋に行けるかどうか……

心配でたまりません。