深呼吸をしたミルキー様。

いつの間にか心を落ち着かせたみたい。

今は優雅な笑顔を浮かべている。



「海花にお礼を言い忘れていたね」

「何のことですか?」



「俺の正体を必死に隠そうとしてくれて、本当にありがとう」



ひぃえぇぇぇ~


大好きなご主人様に、頭をナデナデされています。

しかも、照れながらのふんわりスマイルを添えて。


こんなハッピーシャワーを浴び続けてしまったら、私はこの場でキュン死してしまいますよ。



倒れたら、ご主人様に迷惑が掛かってしまいますので……

「わわわ……私、2階に電源を落としに行ってきますね」


「海花は教室に戻って」

「ですが……」

「俺はまだ耳もしっぽも出ているから、講堂から出られないし。片づけはやっておくから」

「でも……」

「ちゃんと聞くように。これは、ご主人命令だからね」



ミルキー様のからの命令は、いつも優しさが添えられている。

そして命令の内容はすべて、私を気遣うためのものなんだ。


優しさのプレゼントをされたら、命令拒否なんてできません。

ミルキー様の笑顔を守ること、それが私の使命でもあるんですから。