私は強い意志を込めるように、両手をグッと握りしめる。

そして、座って泣き続けている綾芽さんの前にしゃがみ込んだ。



「これ、使ってください」



真っ白いハンカチを、差し出しながら。

でも綾芽さんはプイッ。

私のことを嫌っているのが丸わかり。

ほっぺに空気を目いっぱい詰め込んで、勢いよく顔を横に。


そんなことでめげません!

だって私は、綾芽さんとお友達になりたいんです!


強行突破。

私は強引に、綾芽さんの手にハンカチを握らせる。



「ちょっと、海花ちゃんのハンカチなんかいらないってば!」