「小学校の友達に、獣人だから危険とか、耳が勝手に生えてくるからキモイとか、みんなでイジメようとかコソコソ話をされて。コソコソなのに、明らかに私に聞こえるような声でしゃべってて。
小学校の時の私は、ずっとぼっちで、泣いてばっかりいたんだから!
人間にバカにされないように、強くなるしかないじゃない! 強くなって、今度は逆に、私が人間をバカにしてやる! そう思わないと生きてこれなかったのよ!
私の人生、ほんとやり直したい!
ミミもしっぽも引っこ抜いて、普通の人間の女の子として……自由に生きたい……
海花ちゃんが、うらやましくてたまらない……」
綾芽さんはしゃがみ込んだまま。
ふわふわなドレスに、涙顔を押し当てている。



