「私は月見財閥婦人に、ふさわしくないということですか?」
「そうだ」
「そんなことないです。ちゃんと私を見てください。誰にも負けないくらい見た目も可愛いでしょ?」
綾芽さんは、ドレスのすそをなびかせながら1周ターン。
ステージに立つアイドルのよう。
そして片手をあげ、ミルキー様のお父様にキュートウインク。
ミルキー様のお父様は、真顔で首をかしげ、てんてんてん……
「私は犬族の獣人ですよ~。希少価値がさらに高い、高潔ポメラニアン系です! 月見家に純血の子孫を残すなら、私以外いないはずです。お義父様、そうですよね?」



