胸キュンに耐えられない私。
ただ手首をつかまれているだけ。
それなのに……
大好きな人と繋がっているかのような錯覚に陥り、呼吸が早くなってしまう。
その時、ミルキー様が立ち上がった。
恥ずかしそう。
顔が真っ赤。耳まで真っ赤。
ひぃあぃっ!
そんな恥じらいの表情で、私の瞳をじっと見つめないでください。
テレが私にまで感染して、余計に心臓が駆けだしてしまいますから。
「海花は、俺に嫉妬して欲しいの?」
「……えっ?」
「海花が思っているほど、俺は心穏やかな人間じゃないからね」
「そっ…そんなことはありません。ミルキー様は、誰もが憧れるパーフェクト王子様ですよ!」
私の自慢の、ご主人様なんです!
「海花も俺のことを、パーフェクトだって思ってくれてる?」
「もちろんです!」
「俺だけ?」
「えっと……?」
「海花にとっての完璧な王子様は、俺の他に存在しない?」



