「海花、大丈夫だった?」
座ったままの私を心配するかのよう。
ミルキー様が私の顔を覗き込んできた。
「もっと早くに俺が気づいていれば。海花に怖い思いをさせなくて済んだのに」
ミルキー様の声が優しくて。
申し訳なさそう私を見つめるミルキー様の瞳が、優しすぎて。
「だっだだ、、、大丈夫……です」
私はなんとか微笑み返してはみたものの。
でも……大丈夫ではないみたいです……
恐怖の瞬間というのは、何度でも蘇ってしまうもののようで。
ナイフで斬られそうになった時のことが、脳裏にリピート再生されてしまって。
私は笑顔のまま、ガタガタと肩が震えだしてしまいました。
そして瞳からは、なぜか涙が。



