「では行ってきます」と、ミルキー様に背中を向けた私。
涙がこぼれる前に、この場から離れなきゃ。
そう思い、慌てて走り出したのに……
「ちょっ、、、ちょっと待って!」
ミルキー様の焦り声が飛んできて
「お願い、行かないで」
綺麗で長い指が、私の手首にからまって……
「俺今……ほんとどうにかしていて……
自分で自分の感情がコントロールできなくて……」
早口のテレ声を吐きだすミルキー様に驚く私は、足を止め、立ち尽くすことしかできない。
私の手首が、ミルキー様につかまれている。
どこにも行けないくらい強い力で。
ぎゅーぎゅーって。
私の肌に、ミルキー様の手のひらの温度が伝わってくる。
ひぃあぁぁぁぁ……
私の手首を離してください。
解放してください。
ドキドキが着火剤となって、私の心臓が爆発してしまいそうなので。



