涙が製造されそうになる。
涙腺が緩みそうで、本当に困る。
いつも大らかで優しいミルキー様なだけに、突き放されると悲しいです。
でも泣いちゃダメ。
唇をぎゅっとかみしめて、こらえなきゃ。
ご主人様の幸せが、メイドの幸せ。
それは私が子供のころから、先輩メイドの母に教わった教訓だから。
ミルキー様はまだ三角すわりのまま。
顔すらあげてくれない。
ふんわり髪から飛び出ている、ミルキー様の三角お耳。
真っ白なはず。でもなぜか、ピンクに染まっているように見える。
私は傷ついた心臓に手を当て、とびきり笑顔で声をはずませた。
「私、今から2階に行ってきますね」
「……」
「音響の電源を切ってきます。15分したら講堂に戻ってきて片付けをしますので、ミルキー様は耳としっぽがおさまったら、教室に帰ってください」
私はもう一度、微笑んでみた。
でも無意味。
ミルキー様はうつむいたまま、視線すらあげてはくれない。
ホッとはしています。
私の引きつった笑顔が、ご主人様の瞳に映らなくて……
でもやっぱり、悲しみがごまかしきれません。
大好きな人からの拒絶ですから……



