「帰らせないから。このパーティーが終わるまで、ずっと」
私は、ビクビクしながら振り返る。
目の前には、真っ白なウエディングドレス姿の綾芽さんがいて。
これでもかって言うほどの、冷たい笑顔を浮かべていて。
怖すぎです……
誰か助けてください……
私の顔面の血液が、恐怖で引いていくのを感じてしまう。
綾芽さんは私の肩に手を置くと、私の耳に嫌味声を吹きかけた。
「私と琉希君、最高にお似合いでしょ? みんなに言われちゃった。琉希君の隣に立っても見劣りしないのは、この世で私だけだって」
声が不気味すぎて、私は頷くことしかできない。
「琉希君ね、ほんと甘えん坊なんだよ。私のことが大好きすぎるんだろうね。二人だけの時は、手だけじゃなくてしっぽも絡ませてきてね。私のしっぽを放してくれないの」
そそそ……そうですかぁ……



