私の瞳に映ってしまう、ミルキー様と綾芽さん。

ドレス&タキシード姿で肩を並べ、お揃いの耳としっぽを揺らしていて。


『世界一の幸せカップル』


二人を包むキラキラなハッピーオーラに、私は目をつぶりたくなる。



嫉妬で心臓がえぐられてきました。

耐えられなくて、泣きたくなってしまうんです。

今すぐこの会場から、逃げ出してもいいでしょうか?



私はカメさんスピードで、ちょっとずつ出口に近づく。


もう婚約披露の儀は、終わったみたい。

今からはテーブルに盛りつけられている豪華な料理を堪能する、立食パーティーが始まるみたいですし。

これで、おいとまさせてください。



私はミルキー様たちに背を向け、ガーデンの出口に向かう。


真っ赤なバラのアーチを通り抜けようとした、次の瞬間


「海花さん」


呼び止められてしまいました。