「綾芽さん言いすぎだよ。海花はただ……」


「海花ちゃんをかばうの? 琉希君は私の婚約者でしょ! 私のこと以外、大事なものなんてないでしょ!」



綾芽さんの怒りが、さらに増していく。


「誰か今すぐ、学園長呼んできてよ! 海花ちゃんを今すぐ処分してもらうんだから! 本当に許せないんだから!」


ヒステリーを起こしたように、耳を尖らせ暴れまくっている。




その時


「みんな、よろしく」


美記ちゃんが手をあげた。



頷く同級生たち。


たくさんの生徒がワラワラワラと集まってきて

ミルキー様と綾芽さんを、囲みだしている。



「私たちが壁になるよ」


「二人を足止めしとくからさ」


「今のうちに、海花ちゃんと美記ちゃんは帰りな」



でも……



「綾芽さんが怒っている原因は、私なんです。それなのに私がこの場から逃げるなんて……」