私は走る。

ミルキー様がいるマイク台の後ろまで。


私はブレザーを脱ぎ、ジャンプをしながらミルキー様の頭にブレザーをかぶせた。

ミルキー様を生徒たちから見えない、マイク台の下に押し込む。



「うっ…、海花っ?」



マイク台の中に反響する、ミルキー様の焦り声。

ご主人様の表情は、私には見えていない。


正体がバレちゃったと、焦っていらっしゃるんですよね?

ご主人様を安心させてあげなくては。


私はミルキー様に絡めている腕に、さらに力を籠めた。



「大丈夫ですから。みんなにはきっと、お耳のことはバレていませんから」

「そそっ……そういうことじゃなくて……」



ん? 

さらにミルキー様の声のテレ感が増しているような……



「俺としては………この状態は……ちょっと///」



えっと……この状態というのは?