「はい、台本です」



知らない男子が、ステージの下から私に台本を渡してくれた。



「あっ、ありがとう……ございます」



感謝をちゃんと伝えたい私。

おでこが膝につくくらい、必死に頭を下げる。



「海花様、写真を撮らせてもらえませんか?」



えっ?



「私のスマホにも、海花様のエンジェルスマイルを納めたいです」



エンジェルスマイル?

ブサイクスマイルの間違いでは?



「わわわ、、、私の写真なんてスマホに入れておいたら、呪われちゃいますよ。やめておいた方が……」

「そういう自虐的なとこ、ほんと可愛い~」

「私も海花様の写真欲しい~」



ひぃえぇぇぇ~

みんなのスマホカメラが、私の方に向いているんですけど……