時をこえて、またキミに恋をする。

池には、ムスッとして不満そうなわたしの顔が映っている。

そこへ、宗治が歩み寄る。


「びぃは屋敷の外にいろ」

「…外?外に行って、わたしはどうしたらいいの?」

「心配すんな。俺はいったん屋敷に戻って、現状が把握できたらまた戻ってきてやるから」


幸い、わたしが今着ているのは浴衣。

この時代に溶け込むことはできる。


だけど、よく知りもしない幕末の時代にぽつんと1人残されて、なにをしろっていうの。


今は、宗治だけが頼みの綱。

さっきわたしから離れたときだって、本当は心の中では戻ってこなかったらどうしようと考えていた。


そんな不安な気持ちが顔に表れていたのだろうか…。


「心配すんな。びぃが無事に現代に帰るまで、この世界では俺が面倒見てやるからっ」


そう言って、宗治はわたしの頭をぽんぽんっとなでた。