時をこえて、またキミに恋をする。

「びぃは、都子姫と顔が瓜二つだからな。そんなびぃが平然とその辺を歩いていたら、騒ぎになるに決まってる」


都子姫は、この辺りでは有名な公家のお嬢様。

お屋敷の中でも外でも、だれかに見られるとマズイんだそう。


都子姫が2人いると思われるから。

それに、わたしが都子姫じゃないとなれば、宗治が初めてわたしと会ったときのように妖怪呼ばわりされかねない。


だから、わたしは顔がわからないように、宗治によって雑に頭に包帯を巻かれた。


「これでよしっと」


そうつぶやいて、満足そうな表情の宗治。

だけどわたしは顔の半分を包帯で隠されて、片目しか見えない状態で非常に心地悪い。


「…これ、もう少しどうにかならないの?」

「ちょっとくらい我慢しろ。これなら、都子姫と顔が同じだとは悟られねぇはずだから」