時をこえて、またキミに恋をする。

「…おい、ここって」


すると、隣に倒れていた宗治が飛び起きた。

宗治は茂みをかき分ける。


わたしは宗治のあとに続くも、変な感じだった。

だって、うちの庭の桜の木の周りには茂みもない。


同じ場所なんだけど、どこかわたしの知らない場所にいるような…。

そんな感覚だった。


「待ってよ、宗治…!」


宗治の後ろを追っていると、突然ピタリと止まるものだからその背中にぶつかってしまった。


「急に…なに?」

「…見てみろよ、びぃ」


宗治がそう言うから顔を覗かせると、茂みをかき分けた向こう側には寝殿造の立派なお屋敷が立っていた。


「なにこれ…。ここって、うちの家があるはずじゃ…」

「違ぇよ。これは…藤門家の屋敷だよ」


藤門家って、都子姫の…。


「…ということは」