時をこえて、またキミに恋をする。

わたしたちは、うろに現れた赤紫色の光に吸い込まれてしまったのだった。



ふと、まぶしさに目が覚める。

ゆっくりとまぶたを開けると、宗治が倒れているのが目に入った。


「…宗治、起きてっ」


宗治の体を揺すると反応があった。


まぶしいと思ったら、太陽の光が差し込んでいた。

…ということは、朝?


突然桜が狂い咲いて、木のうろが赤紫色に光りだした。

その光の渦に吸い込まれたかと思ったけど…。


わたしと宗治は、その桜の木の前にいた。


…あれは夢だったのかな。

それで、一晩中わたしたちはここに倒れていたのだろうか。


だけど……あれ?

なんだかこの桜の木、うちにあるのと違って二回りほど小さいような。


でも、同じところにうろがあるから、同じ桜の木のはずなんだけど…。