時をこえて、またキミに恋をする。

…いつの間にっ。


「こんなことって…あるの?」

「…ありえねぇだろ!だって、今は6月だぞ?」


そうして、ハッとして2人同時に顔を見合わせた。


「…もしかして」

「狂い咲き…!?」


たしか、おばあちゃんがあのとき言っていた。


『じゃあ、その救い人の力ってやつで、どうやったら戻れるんだ?』

『『桜が狂い咲く夜、時をこえる』…と書いてあるの〜』


宗治が通常の桜が咲く季節を待たずに元の時代に戻るには、わたしの力と桜が狂い咲く夜だって。


もしこれが、古文書のとおりの狂い咲きだとしたら――。


桜の木のうろに目を向けると、赤紫色の光が現れ渦を巻き始めた。

宗治が現れたときと同じ現象だ…!


「びぃ!これって…!」

「…待って!わたし、まだ心の準備が――…キャーーーー!!」