時をこえて、またキミに恋をする。

「そうだけど、周りで剣道やってるヤツなんていねーもん」


朔は口を尖らせていた。


そのあと、わたしはお風呂に入った。

そして、湯船に浸かりながらふと考えた。


剣道部に入部することになった宗治。

これからの大会で活躍しそうと言われていたけど、次に桜が咲くときには元の時代に戻るんだよね?


こっちの生活にもすっかり慣れてしまって、わたしも宗治がいる毎日が当たり前のようになっていた。


初めは、早く帰らないかななんて思っていたけど――。

いざ、宗治がいなくなると思うと…なんだか寂しかったり。



「お母さん、お風呂空いたよ〜」


お風呂から上がってお母さんを呼びに行くと、畳の部屋で浴衣を広げていた。


「どうしたの、その浴衣?」

「押入れの奥から、お母さんが若い頃に着ていた浴衣が出てきたの」