時をこえて、またキミに恋をする。

…どうやら集中していて、木の枝を刀だと思いこんでいたようだ。


「でも…、ちょっと板東くんがかわいそうに見えちゃったかな?ただ、わたしに気持ちを伝えただけなのに」

「それをはっきりと断れずに困ってたのは、どこのどいつだよ」

「それはっ…」


…返す言葉もありません。


「それに、あれでも手加減したほうだからな」


宗治は、前髪をかき上げる。


板東くんに追い詰められて、どうすることもできなかったわたしを助けにきてくれた宗治。

それはまるで、少女マンガのヒーローのようで――。


不覚にも、わたしはその宗治の姿に一瞬だけときめいてしまったのだった。


だって…。


『…今すぐ、そいつから離れろ』

『びぃは、そこで見てるだけでいいんだよ』


あんなこと言われたらまったく気がなかったとしても、…少しはかっこよく見えてしまうに決まっている。