時をこえて、またキミに恋をする。

つれてこられたのは、人気のない校舎裏。

こんなところで板東くんと2人きりなんて…、なんだか気まずい。


しかも、板東くんはまっすぐわたしを見つめたまま動かない。


「あの〜…、板東くん?」


わたしが声をかけると、板東くんはハッとした顔を見せた。

どうやら、なにか考え事をしていたようだ。


「…もし話がないのなら、わたし…教室に戻ってもいいかな?」


そう言って、背中を向けようとした――そのとき。


「すっ…好きだ!」


静かな校舎裏に響く、板東くんの震える声。

予想もしていなかった言葉に、わたしは思わずキョトンとしてしまった。


……え?

板東くんが…、わたしのことを…好き?


「1年のときから、高倉のことが好きだったんだ…!」


緊張した面持ちでズカズカと迫ってくるものだから、わたしはとっさに後退りした。