時をこえて、またキミに恋をする。

「そういえば、宗治にいちゃん。命よりも大切って言ってたけど、あの刀ってすっげー高いものだったりするの?」

「あれは、都子姫からもらった『桜華(おうか)』という名前の刀だ。値などつけられない」

「つまり、好きな人からもらったものは大切ってこと?」

「そういうことだ。朔はいないのか?心に決めた人は」

「オレはいないなー。1人の女の子に好かれるよりも、大勢の女の子から好かれるほうがいいじゃんっ」


我が弟ながら、その発言にはびっくりだ。


朔にはプレイボーイ気質があるのだろうか。

姉としては、少し心配だったりする。


「朔はまだ、『この人だ!』と思える運命の人に出会っていないだけだな」

「宗治にいちゃんは、それが都子姫って人なんだ?」

「ああ、そうだ。都子姫はびぃと違って、聡明で品があって――」