時をこえて、またキミに恋をする。

「もしかして、その『姫』っていうのが、宗治が助け出したっていうお屋敷のお姫さま?」

「ああ、そうだ」


宗治が結婚を約束していたというお姫さまの公家のお屋敷は、結婚相手の候補である武家の家柄の男子を花嫁の側近として一定期間仕えさせるしきたりがあるのだそう。


そこで、花嫁の相手にふさわしいかどうかと吟味されるんだとか。


「しかも不思議なことに、姫はお前と顔がそっくりなものだから、なんだか違和感でしかない…!」


そう言って、宗治はわたしを指さした。


「…えっと、わたしが?」


そういえば、宗治がタイムスリップしてきたときも――。


『姫…!!』

『なっ…なに!?』

『…姫!ご無事でしたか!?』


わたしとお姫さまを見間違えていた。

それが、ただ顔が似ているというだけの別人だとわかって、わたしを妖怪呼ばわりしたんだっけ。