時をこえて、またキミに恋をする。

わたしが現代に帰って2年後、宗治が仲を取り持ち、都子姫と壱さんが結婚。

その10年後、宗治はお見合い相手と結婚した。


そうして、現在に至る。


話の辻褄は合うのだけれど、まだ夢を見ているような感覚だ。

そう簡単に、目の前にいるのが宗治だとは理解できない。


そんなわたしに、あるものを差し出した。


「これ、ずっと蔵に保管してたものなんだけど…」


それは、縦縞模様の古くて黒い布…。


見覚えがあると思ったら、それはお母さんが宗治に作った甚平だった!

裏地には、【SOUJI】と名前の刺繍が施されている。


…間違いない。


春日井宗馬は、前世の記憶を受け継いだ宗治の生まれ変わり。

だから、わたしとの思い出も記憶もすべて覚えていた。


そう。

わたしたちが両想いだったということも。