時をこえて、またキミに恋をする。

無理やりそう思うことにして、わたしは家に帰った。


「おかえり、都美。悪いけど、ちょっと庭の掃き掃除してきてくれる?」

「いいよ」


ほうきを持って庭に出ると、御神木の桜の木の前にだれかが立っていた。


紺色のブレザーに、グレーのズボン。

…青中の制服だ。


でも、どうしてこんなところに青中の生徒が…?

と思いつつも、その場を通り過ぎようとした――そのとき。


「無視かよ」


突然そんな声が聞こえた。


びっくりしたー…。

…背中に目でもついてるの?


「も…もしかして、わたしに言ってますか…?」

「お前以外、だれがいるんだよ」


そう言って振り返ったのは、あの…春日井宗馬だった!


なんで…ここに。


「せっかく会いにきてやったっていうのに」


外見は宗治と瓜二つなのに、声と口調までも宗治とそっくりだ。