時をこえて、またキミに恋をする。

【壱】と書かれてあった。


「なんで壱さんのままなの…!?」


…いや。

壱さんはとってもいい人だし、結婚相手の候補だったから都子姫と結ばれたっておかしくはないんだけど…。


じゃあ、宗治はどうしたっていうの…?


宗治が都子姫と結婚したら、わたしたちは存在しなくなること。

でも、家系図は変わっていないこと。


そのことをおじいちゃんとおばあちゃんに伝えたけど、その理由は「わからない」とのことだった。

ただ言えるのは、おそらく宗治は都子姫とは結婚しなかったということ。


…あのバカっ。

わたしがどんな想いで別れを告げたのかも知らないで、なにやってるのよ…!


だけど、それを探る手立ては現代にはなにも残されていない。


1ヶ月もの間眠っていたわたしは、その後念のため自宅で療養することに。