時をこえて、またキミに恋をする。

そのあと、わたしに対しては失礼な態度だったのがまるで嘘のように、男の子は素直になった。


お父さんの早業を目の当たりにして、自分よりも格上だと自覚したのだろうか、お父さんを尊敬のまなざしで見ている。


「先程の無礼な態度、どうかお許しください…!」

「気にしないで。キミもタイムスリップしてきたばかりだから、混乱していて当然だよ」

「…“たいむすりっぷ”?」


難しそうな顔をして男の子が首をひねるものだから、お父さんは丁寧に説明した。


時代をこえて、いきなり未来にやってきた。


そんなの、普通ならすぐには信じられるはずがない。


わたしがそうだった。

突如現れた男の子が、過去からやってきたなんて。


――しかし。


「…おお、そういうことかっ。どうりで見知らぬ場所だと思った」