わたしの彼氏は、一味違う。

おそらく日本中のどこを探したって、そんな彼氏はいないだろう。


なぜなら、わたしが付き合っているのは幕末の剣士だから。


でも、『付き合う』と言っても、これまでの生活とほとんど変わらない。


同じ家に住んでいるから、『会いたい』などといったメッセージのやり取りはないし。

わたしと離れると宗治は消えてしまうから、付き合っても付き合ってなくても常にいっしょだし。


だから、これといってなにをしたらいいのかわからなかった。


ただ、宗治がそばにいると安心する。

宗治と想いが通じ合ってから、世界がキラキラして見える。


恋愛フィルターがかかっているせいだろうか、宗治がこれまで以上にかっこよく見えて仕方がない。


そんな毎日が続き、あっという間に夏休みが終わった。