時をこえて、またキミに恋をする。

「味方だと…?」


すると、男の子はお父さんの後ろにいたわたしの存在に気がついた。


「まだいたか、妖怪!」

「だから!だれが妖怪よ!!」

「…黙れ!俺が叩き斬ってやる!」


男の子は枕元に置かれていた刀をすぐさま手に取ると、(つか)を握った。


しかし、その手をお父さんがつかんだ。


それはほんの一瞬の出来事で…。

気づいたら、お父さんが刀を引き抜こうとする手を抑えていたから、男の子も呆気にとられている。


普段は、どちらかというとのんびり屋なお父さんだから、こんなすばやい動きができたことにわたしも驚いている。


「…なんという早業。何者だっ…」

「ぼくは、この夜月神社のただの神主だよ。そして、後ろにいるのは娘だ。よろしくね」


お父さんはにっこりと微笑む。

だけど、目は笑っていないように見えて、なんだか圧を感じた。