時をこえて、またキミに恋をする。

閉会式後、3年生の先輩たちはみんな悔し涙を流していた。

もちろんそんな先輩たちを見て、わたしたち後輩も泣かずにはいられない。


「優勝は逃したけどっ…、このメンバーで3年間剣道ができてよかった…!」


目に涙を浮かべながら語る古関先輩。


自分の手で優勝をつかみ取ることができず、無念だったことだろう。

だけど、すべてを出し切った古関先輩の表情は、次第に清々しい笑みへと変わっていった。



その帰り。

わたし、宗治、古関先輩は同じ電車の車両に乗っていた。


「…いや〜。青中、強かったな」


隣で、つり革を握って立っている古関先輩がつぶやく。


「ごめんな、高倉。かっこいいところ見せてやれなくて」

「そんなことありません…!古関先輩は試合だけじゃなくて、部長としてとても頼りがいがあって、それだけでとってもかっこよかったです」