時をこえて、またキミに恋をする。

「そうだ、朔。ゴールデンウィークでしばらく学校も休みだから、久々に父さんが剣道の稽古をつけてやろうか?」

「え〜、やだよ〜。オレ、剣道はしないから」


朔は、朝ごはんのだし巻き卵を口に頬張りながらお父さんに話す。


高倉家の男子は代々剣道を教えてもらうのだけれど、朔は小学3年生のときにお父さんから習うのをやめてしまった。

剣道をしている友達はいなかったし、周りではサッカーがブームだったから。


「剣道って防具とか暑いじゃん。それにサッカーのほうがモテるしさ」


朔の言葉にお父さんも苦笑い。


「でも、朔。お姉ちゃんの学校では、古関先輩っていう1つ上の先輩が一番モテてるけど、剣道部の部長だよ?」

「それはレアなケースだよ。やっぱりかっこいいのはサッカーだよな〜」


たしかに、サッカー部も人気ではある。