時をこえて、またキミに恋をする。

今大会から、学校の宗治ファンが応援にくるようになった。

古関先輩ももちろん人気だけど、宗治もそれに負けず劣らず。


宗治が一本先取すると、悲鳴に近いような歓声が上がる。


たしかに、竹刀を握る宗治はかっこよく見える。

タイムスリップした幕末の時代で、実際に刀を握って人攫いから守ってくれた宗治を目にしたからなおさらだ。


「宗治、準決勝お疲れさま」


わたしは、宗治にスポーツドリンクが入ったボトルを手渡した。


「ああ、ありがとう」


受け取る宗治と指先が触れただけで、思わずキュンとなってしまう。


「あ…えっと、次はいよいよ決勝だね…!」


なにか話さないとと思って、なんとか会話を投げかける。


「そうだな。古関先輩たちには有終の美を飾ってもらいたいし、ぜってぇ優勝しねぇとな!」