時をこえて、またキミに恋をする。

と目を向けると、それは朔を挟んだ向こう側に座っていた宗治だった。


思わず、瞬時にお箸を握っていた手を引く。


「びぃもまぐろか?」

「…ううん!べつに」


なぜかわたしの口から勝手にそんな言葉が出てきて、そのまま何食わぬ顔でまぐろの向こうにあったイカを取った。


本当はまぐろを食べたかったのに、なんでイカを…。


そんなことを考えながら、小皿の上に置いたイカを見つめた。


「えっと、お醤油は…」


醤油を探すと、朔の前に置かれていた。

取ろうと手を伸ばしたとき、またしても同じタイミングでだれかと手が触れる。


ハッとして顔を上げると、わたしと同じような反応をした宗治と目が合った。

そして、どちらも醤油を取ることなく手を膝の上に戻した。


「なに?さっきから2人とも」