時をこえて、またキミに恋をする。

「残された古文書には書かれていたが、じいちゃんも信じてはなかったの〜」

「まさか本当に実在して、それが孫の都美とはの〜」


わたしが『救い人』というめずらしい力を持っているとわかっても、家族のみんなはそこまで驚いていない。

普段から霊が見えてしゃべっている霊感がある人にとっては、特殊能力なんて日常的なことなのだろうか。


「ということは、あの幽――じゃなくて男の子は、過去からきたの?」

「そういうことになるな。どの時代からやってきたかは、彼が目覚めてから聞いてみよう。刀と服装からすると…、江戸時代辺りだと思うが」


ひとまず、あの男の子が目覚めない限り、なにもわからないようだ。


客間で、見知らぬタイムスリップしてきた男の子が眠っているというのに、我が家はいつも通りの朝を迎えた。