時をこえて、またキミに恋をする。

そして、家族全員が居間に集まると、客間で寝ている幽霊の話になった。


「お父さん。あの幽霊ってなに?触れたからびっくりしちゃって――」

「彼は幽霊じゃないよ」


お父さんの言葉に、わたしはキョトンとする。


「幽霊じゃ…ない?」

「そもそも幽霊は触れないからな」


じゃあ、一体なんなの…?


「でも、わたし見たよ…!御神木の桜のうろが赤紫色にぼんやりと光って、そこからあの幽霊が…!」


こんなファンタジー小説みたいな話、信じてもらえないと思った。

だから、必死に説明しようとしたけど、わたしの予想と違っておじいちゃんとおばあちゃんはうんうんと首を縦に振っている。


「そうか、そうか。ばあさん、都美が『あれ』じゃな」

「そうですねぇ、おじいさん。都美が先祖代々伝わる『あれ』とは…」