時をこえて、またキミに恋をする。

そんなわたしの顔を、幽霊は眉間にシワを寄せながらまじまじと見つめる。


「…姫?いや、姫がこんなアホ面なわけがない」


ア…、アホ面…!?

今、わたしのこと…『アホ面』って言った!?


「ちょっと、なに勝手なこと――」

「…お前こそ何者だ!?姫と同じ顔…。さては、妖怪の類だな!?」

「妖怪って…、…わたしが!?」


人を『アホ面』だの『妖怪』だのって…。

…この幽霊、失礼すぎる!


「言っとくけどね、わたしはあなたを――」

「近づくな、妖怪!」


そう言って、幽霊は腰にささっていた(さや)から刀を引き抜いた。


「姫をどこにやった!」

「どこにって…。そもそも、『姫』ってだれのこと?」

「答えないのなら、吐かせてや――ッ…!!」


すると突然、幽霊は頭を抱えて苦しみだした。