時をこえて、またキミに恋をする。

触れる幽霊なんて聞いたことがない。


これはますますお父さんに知らせなくちゃ…!


そのとき、幽霊の体が小刻みに震えた。


「…んっ……」


そして、かすかな声を漏らして手をついて体を起こし始めた…!


こわくなったわたしは後退りする。

すると、顔を上げた幽霊がゆっくりとわたしに目を向けた。


深い海のような色をしたきれいな瞳。

その瞳が、まっすぐにわたしを捉える。


「姫…!!」


そう小さく叫ぶと、慌てて起き上がった幽霊がわたしの手を握ってきた!


「なっ…なに!?」

「…姫!ご無事でしたか!?」

「だからっ…、なんなの!?」


わけがわからない。


幽霊が目を覚ましたかと思ったら、いきなり手を握られて――。

今の状況を理解できなくて、思わずポカンとしてしまった。