時をこえて、またキミに恋をする。

「…宗治!?」


慌てて目を開けると、わたしの足元に倒れていたのは薄汚れた着物を着た男――。


そして、その男の向こうには、もう1人の男の喉元に刀を突きつける宗治の姿があった。


「これでわかったなら、さっさと失せろ」

「ひ…、ひぃぃぃぃぃ…!!」


宗治に刀を突きつけられた男はごくりとつばを呑むと、倒れていたあとの男2人を叩き起こして、3人いっしょに一目散に逃げていった。


圧倒的なその光景に、わたしはぽかんとしてしまった。


「…今の、宗治がやったの?」

「ああ。藤門家に仕える剣士の俺が、あんなやつらに負けるわけねぇだろ。まぁ、峰打ちにしてやったけどな」


桜華を鞘に収める宗治。


「…そんなことよりも」


宗治はそう小さくつぶやいたあと、般若のような顔でわたしのほうへと振り返った。