時をこえて、またキミに恋をする。

「やっ…!やめて…!」


口を塞ぐ男の手を振りほどき、なんとか声を上げた。


「離してっ…!」

「おとなしくしろ!」


だれかに届けと叫んでみたけれど、今度は口にハチマキのようなものを噛まされた。


きっとあの麻袋にわたしを入れて、どこかへ連れ去る気だ。


なんで…わたしがこんな目にっ……。


――だれか。

助けて…!


そう心の中で叫んだ、…次の瞬間。


「そいつから離れろ」


そんな声が聞こえたかと思ったら、麻袋を抱えていた男が白目をむいて膝から崩れ落ちるようにして倒れた。


何事かと思い驚いて目を向けると、その男の背後には――ある人影が。


「びぃ!大丈夫か…!?」


なんとそれは、屋敷にいるはずの宗治だった。


「…てめぇ、よくもオレたちの仲間を!」

「ガキは引っ込んでろ!」